アンドロイドスマホとiPhone
スマホは通話やメールなどのコミュニケーション手段としてだけではなく、交通機関やコンビニでの支払いなど生活のあらゆるシーンで活用されるようになりました。利用するすべての人ができるだけ便利に扱えるよう、AndroidやiPhoneには高齢者や視覚・聴覚障害者向けに「アクセシビリティ」機能というものが用意されています。
1.アンドロイドスマホの種類
よく耳にするものとして シャープ のAQUOS 、ソニー のXperiaなど、iPhoneと異なり、メーカー、種類共に数多くのものがあります。
インターネットで、「現在、アンドロイドスマホの種類 メーカーごとに」などと検索すると、「アンドロイドスマホ おすすめ24選」などが表示されます。
日本国内ではiPhoneが高いシェアを占めていますが、格安SIMの普及に伴ってAndroidスマホに乗り換える方も増えているといわれています。
そのような状況で、スマホが見えない視覚障害者にも利用可能かどうか、実際に触って欲しいと思います。
2.機種説明
●Pixel(Google): iPhoneのようなホームボタンはありません。側面に音量ボタン、裏面に指紋認証のくぼみがあります。指紋認証に新しい機能を割り当てできます。
●Galaxy(サムスン):今回のものでは画面下部にホームボタンがあります。
3.画面説明
ホーム画面も機種により異なります。
大まかな画面配置は、iPhoneと似ています。
●画面上部にステータスバー
右上を触るとバッテリーが確認できます。iPhoneと同じで、バッテリーを確認したときに左右のスワイプではホーム画面には移動できません。
●画面の大部分のスペース、中央はホーム(アプリが並んでいます)。
●画面下部はDockで、よく使うアプリのアイコンが並んでいます。
●アンドロイドは、その下に更に「ナビゲーションバー」というものがあります。
※ナビゲーションバー: 画面下部に表示されるバーの部分を指し、主に3つのボタン(ホーム 戻る 最近)が表示されます。ナビゲーションバーは、機種やバージョンによってさまざまなタイプや表示方法があります。
●ホーム:ホーム画面に戻ります。
※androidでは直角ジェスチャー(上、左)が便利です。
●履歴:アプリの切り替えや終了などを行います。
※androidでは、直角ジェスチャー(左、上)(iPhoneではホームボタンのダブルクリック)
●戻る:一つ前の画面に戻ります。
※androidでは直角操作(下、左)
4.アンドロイドの基本ジェスチャー
<iPhoneと共通ジェスチャー>
左右のスワイプ(フリック)で項目移動。
1本指のダブルタップで実行(スプリットタップはない)
[アンドロイド特有のジェスチャー]
●画面スクロール:2本指のスワイプ(iPhoneでは3本指)
●戻る:直角ジェスチャー 下から左(iPhoneではスクラブ)
●コントロールの変更:上下の往復ジェスチャー、機種によっては3本指の左右スワイプ(iPhoneではローター)
(例) 読み上げ速度を早くしてみましょう!
3本指で左右どちらかにスワイプして、「音声の速度」と聞こえたら1本指の上スワイプで速度をあげてみます。
速度をあげることができたら、聞きやすい速度に調整してみます。
これまで、iPhoneを使用している視覚障碍者が多く、androidユーザーは少なかったが、今後は増えてくることが予想されます。
iPhoneでは使えないがandroidでは使えるアプリがある為に両方のスマホを持つ人もいます。
パソコンも視覚障碍者には少ないが、WindowsとMacパソコンを用途によって使い分けるのと同じような使い方になります。
※iPhoneにはない機能でアンドロイドでは使えるアプリ(お財布携帯機能、点字ディスプレイとの接続など)
5.アンドロイドを利用するポイント
●これまでは購入後の初期設定を誰かにお願いするケースが多かったが、GoogleのPixelや簡単スマホと呼ばれる製品など、最初から日本語音声エンジンが入っているものも増えているので購入者自身で初期設定がしやすくなりました。
●GoogleのTTSとGoogleのGボードというキーボードを開発して漢字の変換、1文字ずつの読みに対応するようになりました。
2019年以降、ドキュメントトーカー(サードパーティのアプリ)がない状態でも視覚障害者にも使えるレベルになりました。
●操作性
iPhoneは1本~4本指の操作(マルチフィンガー)。
アンドロイドは、最近マルチフィンガーに対応している機種などもあるが、もともとの操作は1本指の直角操作などです。
※最近はアンドロイドも使いやすくなった(電話を2本指で切るなどの操作できるようになりました)
トークバックバージョン9,1からマルチフィンガージェスチャーに対応。
(1)画面読み上げ機能「ユーザー補助」と「アクセシビリティー」
iPhoneのボイスオーバー設定は、
設定 → アクセシビリティ → ボイスオーバー
アンドロイドでは
設定 → ユーザー補助 → talkback
※購入直後に日本語音声エンジンが入っていない機種の場合、Googleプレイストアで「Android ユーザー補助機能」をダウンするとユーザー補助の中にtalkbackメニューが出てきます。
※talkbackのshortcut
TalkBackは、操作法がかなり特殊です。そのため、必要な時にON・OFFを切り替えることができるようにこの音量キーのショートカットをONにしておきましょう。
※音量キーの「大」と「小」を三秒間長押しする設定ができていることを確認する上でもこの方法でTalkBackを起動していましょう。TalkBackを停止する時は再び三秒間長押しすればOKです。
(2)文字入力 (今回は省略)
視覚障害者向けのアプリ紹介
1.読書アプリ
(1)サピエの利用
サピエの音声デイジーを利用できるアプリは現在iPhoneに2種類あり、ボイスオブデイジーとマイブックモバイルになります。
●ボイスオブデイジー5(3180円) 1度買うと使えます(大きなOSの変更などがあるまで使えるアプリ)
●マイブックモバイル(年契約サブスクアプリ 年6千円) 月額で計算すると250円。
※両方とも機能に大差はありません。サピエデイジーモバイルの利用ができます。また、Wi-fiの利用が必須です。パソコン版と違い、ストリーミング再生はできません。ダウンロードしてスマホ本体に取り込んで再生して利用します。
[アプリの違い]
ボイスオブデイジーは、再生中に速度を変えると再生されている音声のトーンも少し高くなります。
マイブックモバイルは、速度を変更しても音声のトーンの高さは変わりません。
(2)kindle
kindleアプリは、iPhoneとandroidどちらでも利用できます。
サピエ図書館は、視覚障碍者は無料で利用できるのに比べ、アマゾンでは電子書籍となり、実際の本の価格よりも少し安い程度の値段で購入できます。
[利点] サピエ図書館のように点訳・音訳されているものではないので、販売直後に利用でき、すぐに内容を知りたい時に便利です。
この用途での使用は、全盲の方だけでなく弱視や健常者でも便利に使えます。たとえば、通勤電車でスマホをカバンに入れた状態でも読書ができ、目をつぶったまま情報収集をすることができ、貴重な時間を有効に活用することができます。
(3)映画館で利用できる映画の音声解説アプリ
iPhone、android両方に対応しています。
現在、2種類のアプリがあり、それぞれに作品リストが異なっていますので、見たい作品があれば、両方のアプリの確認が必要です。
●HELLO! MOVIE(ハロームービー)(無料) 無線ワイヤレスイヤホンにも対応
●UDCast(無料) 有線イヤホンにて利用可能。
[利用]
どちらのアプリも、事前に作品をダウンロードする必要があります。映画館では、機内モードにしてイヤホンを利用します。※出かける時はスマホの充電を忘れずに!